年長 こいのぼり ~前編~

5月、くるみえんの庭を泳ぐこいのぼり。
今年はどんなこいのぼりができあがるかな。年長クラスにおじゃましてきました。
お散歩で見に行った池の鯉を思い出しながら、思い思いのこいのぼりを描いていく子ども達。
「かっこいいのかいちゃうもんねー!!」
楽しそうに次々と描いていく子もいれば1枚をじっくりと描く子も。
個性豊かなこいのぼりの絵が出そろいました。
 

(先生)「じゃあ、どれにするか決めるよ。まずは形ね。形はどんなのがいいかな?」
子ども達の絵の輪郭を先生が書き取り、これがいい!と思ったものに手を挙げて先生が人数を数えていきます。 候補が決まりつつある中「やっぱりこっちにしたい。」と気持ちの変わる子が出たり、自分の絵を採用しもらいたくて願い出る子もいました。
「Kくんの気持ち、みんなに分かってもらおう。」と先生が子どもに思いを話す時間を作ってくれます。
皆で思いを言い合ったり、また手を挙げて人数を数えたりを繰り返し、ようやくどんな形にするかが決まりました。

(先生)「次は、もようはどれがいいかな?このもようがいいな、と思ったところに貼ってね。」
一人ひとり、ふせんを貼っていきます。
自分の絵を選ぶ子もいれば、お友達の絵を選ぶ子も。
自信を持って自分の絵を選んだ子も、友達の絵を認めて選んだ子も、どちらも素敵! みんな自分で考えて決めることができていました。

(先生)「こいのぼりは裏表あるから、今ふせんが貼ってある中からもう1枚決めるよ。模様を見ると、まっすぐのとグニャグニャとしたウロコがついているのがあるね。 まっすぐとウロコを合わせたもようにするのはどう?」
(子ども達)「いやだー!!」「まっすぐがいい~!」 「グニャグニャがいい~!」

希望する方に手をあげることに。
(先生)「まっすぐに決まりました。」

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

子ども一人ひとりに思いがありました。
形を決める場面でのこと。どうしても自分の絵を諦めたくないKくんは、再度お願いして最終候補の中に入れてもらい、皆に選んでもらう場面がありました。

自分の絵でこいのぼりを作りたかった気持ち。自分の絵を選んでほしかった気持ち。選ばれなくて残念に思う持ち。
悲しくて悔しくて泣いてしまうかな・・・と思いましたが、出そうになった涙をグッとこらえ、その後ふせんを貼り、手を挙げ、最後まで皆と決めていく姿がありました。
成長している姿にこちらがホロッと涙でした。

将来、異なる立場の人を受け入れることができるようになるためにも、幼児期に違った意見を経験することは大切なことだそうです。「どうしてそう思うのか・どうしたいのか」を丁寧に聞き、相手の思いや考えを知ること。
葛藤しながらも「楽しいことを一緒に決められる」「みんなで考えたらこんなことができる」と積み重ねられる生活や遊びの中で話し合いの大切さや面白さを知っていくのだと思います。

話し合って決めていくには時間がかかりますが、その時間をくるみえんではしっかり保障してくれています。
「結果より経過を大切に見ていこう」くるみえんが大切にしている保育精神の一つです。

先生の「明日は魚を買いに行きます。本当の魚はどうなっているんだろう。その後、魚を食べたいと思います!」の声に「やったー!!」と笑顔の子ども達。
みんなで作るこいのぼり。
続きが楽しみです。

~後編に続く~

                                             (年長母)

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