雨降りの日②

年中さんのお部屋では、何やら楽しそうな劇が始まりそう。

「”ニッポンむかしばなし”はじまりまーす」

テーブルを倒して布をかけたステージの裏では、ぬいぐるみを持って、ニコニコと立つ2人。お客さんも何人か集まっています。どんな劇になるのかな?ワクワク…ところが、劇ではなく、すぐにケンカが始まってしまいました。

「ボクの番だよ!」「違うよ!オレだよ!」

どうやらどちらが先にセリフを言うのかで揉めている様子。言い合いから手も出してしまい、1人は大泣き。お客さんは皆どこかへ…。先生が間に入って、2人の言い分を聞きます。大きな泣き声で、先生がなんとお話されていたのかは聞こえませんでしたが、泣いている子をその場から離しました。

「泣いてもいいよ」「言いたいことがあったら言いに来てね。」

先生は優しく伝えて離れました。

1人になったその子は、スッとすぐに泣き止みましたが、立ちつくしています。すると、他の子がぬいぐるみを持って、ケンカした子と楽しく劇?をはじめました。ニコニコとぬいぐるみを動かす2人。お客さんも戻ってきて…。その様子を泣き止んだ子はしばらくジッと見つめていて…あっ!戻っていきました。自ら。3人になってステージに立てました。良かった。

ふと周りを見ると、劇の騒ぎはよそに、立派なブロックの世界が!!いつの間にこんなに作っていたの?というくらい大きな建物も。工作に集中している子もいました。出来上がった作品を次々見せては説明してくれます。キレイにお弁当を詰めて、大事そうに持っている子や、布を広げてベッド作りしている子も。外の通路では、ぬいぐるみを乗せた電車が走っています。仲直りした2人は「おじゃましまーす」と年少さんのお部屋に入っていき、向かい合って絵の具を始めました。

くるみえんは、お部屋の中でも、2時間たっぷり飽くことなく、こんなに豊かに遊べる環境が整っているのだな、と実感しました。2時間の中で、こんなに泣いたり、笑ったり、なんと喜怒哀楽の豊かな子ども達。年中になると、友達同士のぶつあり合いが増えますが、「泣いてもいいよ」「怒ってもいいよ」と一人ひとりの子どもの気持ちをガッシリ受け止めてくれる先生方がいます。だから、また安心して遊べるのですね。

お庭を見ると、長靴を履いてカサをさした年少さんが2人。先生と雨のおさんぽを楽しんでいました。カサにパラパラっとあたる雨の音。

「木の下には雨が降っていないね?」「大~きな水たまり。パシャパシャ、バシャバシャ!!」

いろんな音がするね。いつもと違うお庭の景色、楽しいね。雨の日のくるみえんも素敵だな、と思った1日でした。

(年中母)

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