「どんな子になってほしいですか?」~母の想い~

「どんな子になってほしいですか?」

上の子どもが小さい頃、くるみえんの先生にそう聞かれ、私は「思いやりのある子になってほしい」と答えました。

すると先生は、「そうですよね。親はいろいろな願いがありますよね」とおっしゃいました。

その時の私は、「そんなにたくさん望んでいるつもりはないけれどな」と、少し不思議な気持ちになったのを覚えています。

でも、今ならあの言葉の意味が少しわかる気がします。

その後、我が子は活発で、よくお友達とケンカもするようになりました。

年中の頃は、お友達とのトラブルがあるたびに何度も悩みました。

しかし、月に一度のクラス会で先生から保育の様子を聞く中で、「こういう姿はこの時期ならではなんだ」と知ることができました。

同じように悩んでいるお母さんたちがいることもわかり、「うちだけじゃないんだ」と思えたことは、 とても大きかったです。

「こんなにぶつかれるのは今だけよ。今ぶつからないで、いつするの?」 先生のその言葉に、私は何度も救われました。

一人で抱え込むのではなく、先生やお母さんたちと一緒に、「今はこういう時期なんだね」と受け止めながら、みんなで子どもたちの成長を見守ることができたように思います。

成長するにつれて気づいたことがあります。 この子は、周りの状況をよく見て理解していること、そして自分が思っていることを言葉にできること。

私が思い描いていた「思いやりのある子」とは少し違うかもしれません。 でも、この子にはこの子なりの人との関わり方があり、この子だけの良さがある。

私は少しずつ、子どもを理想に当てはめるのではなく、「この子はこういう子なんだ」とありのまま受け止められるようになりました。

そう思えたのは、見守ってくれる環境があったからです。

親としては、できればトラブルなく過ごしてほしいと思っていました。 それでも周りの大人たちは、ぶつかる姿も「今はこういう時期なんだよ」 「これも育ちの一つなんだよ」と受け止めてくれていました。 うまくやることを求められるのではなく、ぶつかりながら育っていくことを許してもらえる環境がありました。だから私も、「直さなきゃ」「変えなきゃ」と焦るのではなく、この子らしさに目を向けられるようになったのだと思います。 


その後、年長になる頃には少しずつ落ち着き、今では小学1年生になりました。小学校生活はまだ始まったばかりですが、あの頃たくさんぶつかりながら過ごした時間は、息子にとって大切な経験になっているように思います。

親になると、つい「こんな子になってほしい」という理想を持ってしまいます。

けれど、子どもは親が願った通りにはなりません。思いもよらなかったところで、その子らしい輝きを見せてくれるのかもしれません。

良いなと思うところも、困ってしまうところも、その子らしさの一部。これからも、その子が持って生まれたものを大事に見守っていきたいと思っています。

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